【埋もれてしまうアイデア】
アイデアというのは、ふと突然浮かんでくることが多い。
せっかく浮かんだアイデアをそのままにしておいてはもったいない。
これは、あとでみんなに話さなくてはと思っていても、いざというとき「あれ?」と忘れてしまうことがよくある。
頭の中で必死に忘れないように、何度も同じことばかりを繰り返してみるが、あまりにも非効率だ。
途中で誰かに話し掛けられたり、別のことを考え始めると、記憶は薄れていく。
それではメモをとればいいのではと思うが、そう都合よく紙やペンがあるわけではない。
たとえ書き留めることができたにしても、走り書きの読みにくい字や、わずかな余白に書いた字などは、あとで読むと何が書いてあるのか悩むことも少なくない。
それどころか、せっかく書き留めたメモのありか自体がわからなくなることすらある。
何かを思いついた瞬間にパソコンへ向かい、テキストファイルに入力してみる。
安心してそれっきりになったり、どこに保存したのか、どのファイルに何が書いてあるのかがわかりにくい。
そして気がつけばテキストファイルが増えすぎて、ファイルの整理にも時間を要するようになってしまう。
いずれにしても、せっかくのアイデアが活かせずに困った状況となってしまった。
【いろいろな方法】
■人頼み
[方法]
すぐに誰かに話しておく ⇒ 自分が忘れてもその人が覚えているかもしれない
[欠点]
確実性がない、正確性がない
■紙とペン
[方法]
いつも紙とペンを持ち歩く ⇒ 定期的にメモを整理 ⇒ わかりやすく紙にまとめる ⇒ ファイリング
[欠点]
読みにくい、わかりにくい
■テキストファイルに保存
[方法]
メモは紙ではなくてパソコン内に記録しておく ⇒ パソコン内の決まったファイルにまとめて保存する
[欠点]
必ずしもパソコンがそばにあるわけではない、起動しているうちに忘れてしまうことも
■プログラム化・HTML化
[方法]
アイデアをすぐに形にする ⇒ プログラム化やHTML化する
[欠点]
必ずしもすぐに形にできるものばかりではない、時間を要する
などいろいろな方法はあるが、
[ポイント1] あとで見つけやすくしておきたい。
[ポイント2] みんなが見れるようにしたい。
[ポイント3] できる限り手間がかからないようにしたい。
というのは共通点としてあった。
【共通点の検討】
いろいろな方法で挙げられた共通点を実現するためにメンバーは試行錯誤してみた。
■[ポイント1] あとで見つけやすくしたい
やはり手書きよりパソコンを活用することが挙げられた。
複数のテキストファイルに保存していたことがわかりにくくしていたと考え、一つの決まったファイルに書き溜めていくという方法を試行してみた。
しかしながら、どこに何が書いてあるかわかりにく、探すのに時間がかかる、本人以外が見ることができないなどの欠点は変わらなかった。
■[ポイント2] みんなが見れるようにしたい
テキストデータをHTML化して、それぞれにわかりやすいタイトルをつけ、フレームを使い、他の人でもわかりやすくした。
作成してしまえば見やすいが、HTML化に手間がかかることや、不要になったときなどの管理が面倒だった。
■[ポイント3] できる限り手間がかからないようにしたい
いくらパソコンを使っても煩雑になったり、手間がかかるような状況から脱することは難しかった。
そこで、一連のメンバーの様子を見ていたシステム担当は、総合的に見て便利にするにはやはりシステム化が必要だと考えた。
【アイデアのシステム化】
システム担当は、メンバーの意見を取り入れながら、メモ帳システムを作成した。
■システム概要
・ユーザー登録形式
・作成者以外閲覧禁止・メンバーに参照許可・書込許可などの設定機能
・検索による表示機能
・削除機能
メモ帳システムは早速使用されるようになった。
メンバーたちの間で、何かあればメモ帳システムに記入し、閲覧するという習慣ができはじめた。
普段あまり知ることのない他のメンバーの考えを見ることができるので、それをきっかけにまたそのアイデアが膨らみ、様々な企画を実現化する方向へと導くことになった。
アイデアの行き場をシステム化したこのメモ帳システムの導入は、業務効率化になっただけではなく、様々な可能性をも生みだしたのだと思う。
執筆担当:CGIKON 佐々木
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