【サンプル版】 
 ○○○○○株式会社

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アイデアの行き場 驚きの効率化 手作業の方がいい? プログラム作りは自動? メール業務のシステム化
いつものようにメンバーが、カタカタと地道な作業を行っていた。
システム担当は、メンバーが一体何をしているのかと様子を見てみると、プログラムで一気に処理ができそうな内容だった。
「大変そうだね、良かったら何かツール作るよ」
「えっ?大丈夫です。あともう少しですから」
メンバーは、せっかくのペースを乱されたかのように少々迷惑そうに答え、再び作業を続けた。

普段からシステム担当は、作業上でプログラム化できる部分は、簡易なプログラムを作って効率化していた。
システム担当は、そんなメンバーを見ていると自分のことのように効率化したくて仕方なかった。
それは、効率化でできた時間に別の仕事をしてもらいたいと考えていたからだ。
「プログラムに任せられるところはプログラムに任せましょう」
それがシステム担当の考えだった。

【プログラムに任せられる作業】
大量作業
規則的な作業
ヒューマンエラーが起こりやすい作業
計算・集計作業
など

【プログラムに不向きな例】
その都度人間の判断が必要な作業
そのときしか使用しないし、プログラムを作る方が時間がかかる場合
など

メンバーが行っている業務の大半は、プログラムに任せられる作業に含まれている。
また、メンバーだって人間、完全ではないはずだ。

【手作業で行う場合】
・チェックしているつもりでも見落としはある。
・正しくやったつもりでも間違えることはある。
・今覚えていても時が経てば記憶があいまいになることはある。
・ダブルチェック・マニュアルの作成・人員の増加などが必要となってくる。
・金額や名前をたった一箇所間違えたばかりに、致命傷となる場合もある。

プログラムはそれらをカバーすることすら可能である、そしてそれがプログラムの良さの一つでもあるとシステム担当は心の中で思っていた。

メンバーは、地道な作業であっても、以前より慣れている仕事ならば、手作業の方が早いと思っていた。
それに、メンバーにはプログラムを作ることができないので、これ以上システム担当の負担を増やしたくないという気持ちがあった。
その代わり、自分でやれる作業はシステム担当に負担をかけずに自分でやろうと考えていた。

カタカタと真剣な表情で作業を続けるメンバー。
メンバーは、言うだけのことはあってほとんど間違いはしないし、作業スピードも速かった。
それだけにシステム担当もこれ以上プログラム化を押し付けるわけにはいかないとしばらく様子をみることにした。

ある日システム担当は思った。
使ってもらえれば、プログラムの便利さがわかるだろう。
そこで、使ってもらえるかどうかは別として簡易なツールを作ってみた。
そのツールを見たメンバーは、少しとまどったが、せっかく作ってくれたものなので、使ってみることにした。
ツールの手順を覚えるまでに少々時間がかかったが、さっきまで手作業で30分くらいかけてたものが、あっという間にできてしまった。
メンバーは、呆然とした。
メンバーにとっては、30分くらいは手作業でもたいした作業でないと思っていた。
でもここまで歴然とした差が出ると、プログラムの効果を実感せざるをえなかった。
メンバーは、この驚きをシステム担当に正直に伝えた。
「やっぱりプログラムってすごいですね。ありがとうございました」
システム担当は、ようやくプログラムを積極的に業務へ導入してくれるものと今後を期待した。

ところが、メンバーはそれ以外の業務については、相変わらず手作業を続けていた。
システム担当が見かねてプログラムを作ったときには喜んで使うが、メンバーの方から作ってほしいとは決して言ってこなかった。
あいかわらず、自分ができることは自分でやった方がシステム担当が仕事に専念できると考えていたからだ。
メンバーが長年やってきた慣れたやり方を新しいやり方へ変えること自体が難しいことだったのかもしれないとシステム担当は思い始めた。
メンバーが自分で必要性を感じるまでは、業務のやり方については任せることにした。

年月とともに、次第に作業量が多くなり、ヒューマンエラーも時折起こすようになり、メンバーは人間の限界をようやく感じはじめた。
そこでようやくシステムの見直しやツールを作成してもらいたいという思いが湧いてきた。
システム担当は、メンバーがそこに至るまでずいぶん時間がかかったと感じていた。
でも、ようやくここから本格的に業務効率化ができるのだと思うと少し安心した。
メンバーは改めて反省した。
自分たちがまずは業務効率化して効果を感じないといけないと。
どうしても社内のことはおろそかになりがちだが、自分たちの業務を見直すこと、それが、CGIKONの商品やサービスのアイデアや元にもなっている。
執筆担当:CGIKON 佐々木


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